女子大生、高田馬場のロシア料理店「チャイカ」で絶品ボルシチ弁当をテイクアウト!

グルメ

こんにちは、東京在住、早稲田大学に通うヘタレ女子大生のMasha(マーシャ)です。

初めてこの記事を読んでくださる方のために、まず我が人生の最大の「バグ」について3秒でおさらいさせてください。 わたしの狭い部屋には、現在、同居人がいます。
……いえ、「人」ではありません。「100年前のロシア革命家の亡霊」です。

栗毛のウェーブに茶色のクリクリした瞳を持つ、悔しいくらいに超絶イケメンな亡霊。ただし、中身はガチガチの共産主義思想家。通称「同志」

最近は私のクローゼットをミリタリー化させたり、私をマトリョーシカに変身させて外に放り出したりと、プロデュース欲(?)が暴走気味の彼ですが、今日も今日とて、わたしのキャンパスライフに全力で割り込んできました。

空きコマの馬場カラ、背後からの重圧

それは平日の昼下がり、大学の授業の「空きコマ」でのこと。 ちょっと時間が空いたので、息抜きに高田馬場の駅前のカラオケに駆け込みました。現代の女子大生らしく、ドリンクバーを片手に最新のJ-POPでも歌ってスカッとしようと思ったわけです。

しかし、私の背後には、当然のように浮遊している我が家の亡霊。 私がマイクを持って曲を選ぼうとすると、冷たい(霊体的な意味で)視線が突き刺さります。

「Masha。なぜそんな資本主義の退廃的な恋愛の歌ばかり歌おうとするのだ。大衆の心を震わせる、真の『歌』を歌え」
「いや、カラオケくらい好きに歌わせてよ!」

押し問答の末、結局同志の強烈なゴリ押しに負け、私が歌わされる羽目になったセットリストがこちら。

  1. 『一週間』(月曜日に市場へ出かけ〜の、あの有名なロシア民謡。ルーツは帝政ロシアのヒット曲らしい。同志「労働の喜びが詰まっている!」)
  2. 『カチューシャ』(「ロシア民謡」の名曲として日本では知られているが、実はソ連とロシアで一番有名なWW2の戦時歌謡。同志、タンバリンの幻聴が聞こえるレベルで大はしゃぎ)
  3. 『ともしび』(この「ロシア民謡」もまたルーツはソ連のWW2の戦時歌謡。前線の兵士に思いを馳せて、情感たっぷりに歌わされる)

ヘタレ女子大生、高田馬場の駅前で一人、ロシア民謡を熱唱。 しかも仕上げに、同志が画面を凝視しながら「……ほう、この文明の利器(デンモク)には、我が祖国の至高の旋律も入っているのか」と呟き、ボタンを押した直後、なぜかカラオケルーム内に大音量で流れ出したBGM。

ロシア国歌(※メロディーは新しい方のソ連国歌と全く同じ)。

なんでこんなものがカラオケに入っているんだ。

重厚すぎるメロディが部屋に響き渡りました。同志はカラオケの合皮ソファーからスッと立ち上がって直立不動で敬礼しているし、私はドリンクバーのカルピスを持ったまま固まるしで、もはや何の地下活動なのか分からない状態で空きコマが終了しました。

心がすっかり燃え尽きた。

創業1972年の名店、高田馬場『チャイカ』へ

歌い疲れて猛烈にお腹が空いた私。 
「……おいMasha、プロレタリアートの荒ぶる魂の歌を歌った後は、やはり母国の味で血肉を満たすべきだ」という同志の進言(というかおねだり)により、向かったのは高田馬場駅のすぐ目の前。

ビルの2階に見える、この青と白のクラシカルな看板。

チャイカはロシア語で「かもめ」だそうな。チェーホフの戯曲にも出てくる「かもめ」。
世界初の女性宇宙飛行士ワレンチナ・テレシコワのコールサインでもありました。

ロシア料理の名店、『チャイカ』さんです。なんとsince 1972。半世紀以上もこの地で愛されている、まさに高田馬場のレジェンドです。

このクラシカルな入り口もすてき
店頭に並ぶのはテイクアウト用冷蔵庫!

重厚な木造りの店構えに、同志も「うむ、素晴らしい佇まいだ……」と満足げ。今回は授業の都合もあるので、店頭に置かれたテイクアウト冷凍庫の誘惑をすり抜けつつ、お持ち帰りメニューから「ボルシチ弁当(ピロシキ)」を注文することにしました。

美味しそうな持ち帰りメニュー!今回はボルシチ弁当(ピロシキ)を選びましたが、ほかにも色々ありますぜ

絶品!ピロシキ&ボルシチ弁当を実食

じゃん。大学のベンチ(あるいはラウンジ)に移動して、いざ開封!

見てください、この完璧な布陣。 主役のピロシキに、カップに入った温かいボルシチ。そして野菜サラダとピクルスが美しく並んでいます。

まずは、ずっと楽しみにしていたピロシキから。手に持つと、ずっしりとした重み。

……うわぁ、めちゃくちゃジューシー!!!

ひとくち齧った瞬間、カリッと揚がったパン生地の中から、旨味がぎゅっと詰まったひき肉と玉ねぎ、そしてハルサメが顔を出します。あふれる肉汁が最高に美味しくて、カラオケでロシア国歌を聴かされてすり減ったライフが一気に回復していくのを感じます。

同志も私の肩越しに覗き込んできて、「これだ……! 丁寧に捏ねられた生地に、惜しみなく詰められた具材。これぞ労働者の力の源だ!」と、心なしか目が潤んでいます(※亡霊なので涙は出ません)。

そして、もう一つの主役、ボルシチ

木のスプーンですくい上げると、お野菜の甘みがこれでもかと溶け込んだ真っ赤なスープ。 一口飲むと、身体の芯からじわ〜っと温まるような、優しくて深い味わいです。よく煮込まれたお野菜がホロホロと口の中で崩れて、本当に美味しい……。

ピロシキのジューシーさと、ボルシチの温かさ、そして付け合わせのピクルスの酸味が最高のサイクルを生み出して、一瞬で完食してしまいました。チャイカさん、本当にお弁当のクオリティが高すぎる。大満足です。

最後に

お腹がいっぱいになり、午後の授業に向かおうとする私。 すると、隣を歩く同志が、ふと真面目な顔で私の顔を覗き込んできました。

「Masha。今日のピロシキとボルシチ、そして先ほどのソ連国歌(※ロシア国歌です)の斉唱……。お前はもう、完全に我々の精神を理解したはずだ」 「いや、ただ美味しくお弁当食べただけだからね?」 
「よし、次回の空きコマは、いよいよ学内で『赤色学生同盟』のビラ配りを──」 
「させるかーーーーーーーい!!!!」

せっかくの美味しい余韻を秒で台無しにする、我が家の思想強めなイケメン亡霊。 どうやら私の大学生活が、普通の「キラキラ女子大生」に戻れる日は、まだまだ遠そうです。

(チャイカさんのピロシキ、本当に美味しかったので今度は冷凍のやつを自宅用にまとめ買いしようと思います。我が家のソファの主への『貢ぎ物』としても、これ以上の正解はなさそうなので!)

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